アパートローン(不動産投資ローン)借り換えのノウハウ
法人化してアパートローン(不動産投資ローン)の借り換えをする方法
個人で運営している賃貸物件を法人化してアパートローン(不動産投資ローン)の借り換えをする方法があります。
法人化することのメリットは「高い節税効果」です。実際には個人から法人へ売買をする必要があり、費用がかかってきますのである程度、資産をお持ちの方ではないとできませんが、今回はその費用の面や流れについてまとめましたので参考にしてください。
費用
費用面についてまとめました。基本的には購入時にかかった費用がもう一度かかると思ってください。
必ずかかる費用
- (1)法人設立費用・・・法人設立にかかる登記等の費用。司法書士の報酬と合わせて合同会社であれば25万円くらいです。
- (2)抵当権設定・・・登録免許税として融資額の0.4%の費用がかかります。
- (3)所有権移転・・・土地と建物それぞれに登録免許税がかかります。土地は固定資産税評価額の1.5%、建物は2%です。
- (4)取得税・・・土地と建物それぞれに違う税率で費用がかかります。土地は固定資産税評価額の1.5%、建物は3%です。
- (5)仲介手数料・・・個人から法人へ売買が必要になるので売買価格の3%の費用がかかります。
条件によってかかる費用
- (1)既存の金融機関への解約手数料・・・一般的に必要な場合は「金銭消費貸借契約書」に記載があります。
- (2)借り換え先金融機関への融資事務手数料・・・事前に借り換え先金融機関に確認しましょう。
単純に1億円であれば700万円かかる計算になりますが、法人を課税事業者とすれば建物の購入価格の消費税分還付させる方法もありますので最終的にはもっと少ない費用で法人化できます。
詳しくは税理士や司法書士にご相談していただき、どのくらい法人化で費用がかかるのか確認して、それ以上にメリットが出るのであれば積極的に法人化で借り換えすることをおすすめします。
メリット
税率
個人と法人では税率が変わってきて、個人の場合は所得で異なってきますが、法人の場合『23.4%』の税率となりますので、給与所得が『900万円』を超えているのであれば、法人化した方が税率は低くなります。
経費
個人の場合は事業として使用されている割合しか経費で計上できませんが、法人であれば事業に使用していれば全額経費として計上できます。
例えば500万円の車を購入した場合で例えると、個人で購入して年間に1か月程度しか事業で使用していない場合、約8%程度(500*8%=40万円)しか計上できませんが、法人であれば全額経費とできます。
その他にも役員に対してかけた保険料も経費として認められます。つまり経費として認められるものが個人とは大幅に変わってきます。
所得の分散
法人を設立する際、家族を役員にすることで報酬を出し経費として計上できます。しかし、あまりにも高い報酬を一人に対して計上してしまうと、個人に対して税金がかかってしまうので報酬をいくらに抑えるかは税理士等と相談しましょう。
欠損金の繰越
事業で出た赤字を繰り越しし、黒字の期に相殺できることです。
欠損金の繰り越しは個人でも法人でも可能ですが、個人であれば3期、法人は9期と繰り越せる期間が大きく異なってきますので継続的に不動産経営するのであれば大きなメリットになります。
減価償却
個人の場合は一定の額を強制的に毎期計上することになりますが、法人の場合は赤字となったときなどに減価償却をせずに限度額の範囲内で翌期に持ち越すことが可能となります。
相続
もちろん個人でお持ちの場合は不動産を相続すると相続税がかかってきます。しかし、法人の場合は家族を役員としておくことで相続税がかからずに相続することができます。
デメリット
- 法人設立に費用がかかる
- 赤字でも年間7万円の税金がかかる
初期費用にある程度まとまったお金がかかってしまいますが、法人設立時に消費税の還付ができたり、節税対策にも優れたりしていますので検討してみるのもよいでしょう。
実際に話を進めるときは、失敗しないために個人の判断だけではなく、税理士や専門家に相談するなどして、メリットがあるのかを十分に検討してから判断した方がよいでしょう。